毒ママを選んで生まれてきたらこうなった

生まれる前と胎内記憶のある毒母第3世代なつみ

22  毒母はテスト代250円すら出さない

給食費を払わない親』のニュースを見た母が、いまいましげに「誰の税金だと思ってんだ」と毒づいていたけど。
自分は私のテスト代を払わなかった話と神対応の先生の話。

ご存知ですか?
学校のテストってお金がかかってるんです。
1980年代半ばバブル全盛期。
中学校5教科250円でした。
母は「義務教育なのに!」と激怒・・・払う気ゼロ
たった、250円なのに、なんというケチっぷり。
ケチ話↓

中学校では、県下一斉の学力テストが1年で7回ほどあります。その結果で、出願する高校を決める大事なテスト。
そのテスト代は、時給五百円以下のバイト料から出すことに。

バイトの話は↓

しかし、事情を知った先生は「欠席者がいたんだ」と250円を受け取りませんでした。「じゃ、その人に払ってください」と差し出したのですが受け取りません。
毎回そういうやりとりが、最後の回まで続きました。
当り前だったテスト、お金がかかっていたんですね。
『当り前=あって当然=タダ』みたいな感覚になるけれど、違うんだなと知りました。
『あって当然』の反対は、『あり難(がた)い』。
テストが、これほどありがたいものとは思いもよらず、毎回ありがたく嬉しく感謝せずにはいられませんでした。

お礼の手紙と宝物
先生にお礼がしたいと思いました。
先生の協力と励ましがなければ、私は今生きてなかったでしょう。
それに、もしかしたら250円×7回分は、先生が負担していたかもしれないからです。母に「先生に何かお礼を」と相談したら「公務員に物品を渡すのは犯罪(賄賂罪)だ!」と猛反対。
「せめて挨拶だけでも」と頼んだのですが「公務員だからやって当たり前!」と拒否。勝手に私の世話を焼いただけ(むしろ進学を阻止したのが水の泡になった)という認識でした。
私だけでも感謝の意を伝えたいと、先生にお礼の手紙を心を込めて書くことにしました。
『手紙の書き方』事典みたいなのを参考に失礼のないよう心を砕きました。
が、使ったことのない挨拶文を挿入したりして、逆に変だったような・・(汗)
目立たぬ茶封筒に、手紙と一緒に私の宝物をそっと入れておきました。
宝物の犯罪性にビクビクしつつ、在学中の弟に手紙をこっそり渡してもらいました。
弟は、何か必要書類だと思ってたみたい。
帰宅した弟が、「あれなに?手紙?背中向けたまま読んでいて、ずっと泣いてた」って。
宝物は、叔母から習っていた競技で、全国大会に出場した時の記念品(赤ペン)でした。
教師が使ってるようなちょっと大人っぽいやつ。
いつか私もこれで丸つけしたいなあって考えてたけれど、先生に絶対必要よねって。そうか、泣くほど嬉しかったのか、あのペンが。違うか。
そんなのしか出せない私をかわいそうって思ったのかな。
違う気がする。
たぶん
私が受けた『師の恩』が、どれほどうれしかったか、ありがたかったか、幸せだったか、わかってくれたからじゃない?
ずっと泣かずに頑張ってきた私の代わりに、先生が喜びの涙を流してくれたんだよね。

今でも先生へ
あの時は、ありがとうって感謝しています。