毒ママを選んで生まれてきたらこうなった

生まれる前と胎内記憶のある毒母第3世代なつみ

フレネミー毒隣人 まさかの善人に


お茶会での母の話です。
後期高齢者たちが保健指導員のもと、持ち寄りの軽食で過ごす社交の場で起きました。

40年来の隣人Tさんが、食材のゆで卵をうっかり落としてしまいました。
指導員さんは衛生面から全捨てを指示。
急遽、ゆで卵無しのレシピで進められました。
もったいない世代の母は「洗ったら食べられる」と提案しましたが、却下。

捨てることへの罪悪感。
食べ損なった悔しさ。
提案が受け入れられずに傷ついたプライド。
優しいご婦人が多くて、Tさんは真正面から責められることはありませんでした。
不快感に支配されるべき人はTさんなのに!
いかにTさんが歯痒く疎ましかったか!と憤懣やるかたなしの母。

そこで母は、指導員さんと穏健な人達の隙を突いて、隣席のご婦人らと互いに目配せし、Tさんをネチネチと攻(口)撃した、と勝ち誇った様子で語りました。
他人を巻き込んで攻撃する(させる)のが、母のデフォルトです。
幾重にも意地悪な仕打ちを受けたTさんが気の毒すぎ・・・。
案の定、Tさんは町内会役員Aさんに大泣きして訴えた、ということでした。

役員Aさんが母の元へ『お訊ね』に来たのは、恐らく仲裁のためだと思います。
(母の云う)共犯のご婦人をスルー、母だけ名指しされたことで単独犯確定ですな、と察する私。
ただ目が合ったにすぎないのを『互いに目配せ』と捉え、さらにはそれを『腹の立つTさんをいじめましょう』と解釈するのもデフォルトとは。

告げ口されたことで、ますますTさんへの憎悪を募らせた母は、無関係のBさんに
「Tさんが『あなた(Bさん)にひどいことされた』と役員Aさんに嘘の告げ口したらしい」
「私も同じ目にあってるからAさんには説明したけど、Tさんの悪口って意味不明なの」
スラップ告げ口で応戦。
さも自分も被害者であり、Bさんにとっては味方であるかのように。

Tさんー役員Aさんー母、の問題は棚上げ。
Tさんー役員AさんーBさんの問題として新たな火種が燃え始めました。
Bさんは「どういうこと?Tさんひどい」と頭を抱えていた、と『仮想敵T』という錯覚をもたせることで同志を増やすことにも成功した母は、焚火にあたるかのようにぬくぬくと高みで笑って見物しておりました。
それでもなお、留飲を下げるでもなく、笑顔の裏で怒りの炎は燃えたまま。
全てはTさんが悪いのだ、と。

◆◆
ゆで卵、勿体なかったねー
自宅だったら洗って食べるよー
保健師さんは仕事で注意しただけだからねー
今度作ってきてあげるねー

どのセリフが最適解なのか。
制御不能な炎が、少しでも小さくなるように・・・
そういう想いで母の話に耳を傾けていましたが、さらなる母の行動を聞いて椅子から転げ落ちるほど驚きました。

◆◆
母は次のお茶会で、ゆで卵10個作って持って行ったそうです。
今、卵って高いのに自腹でってとこに違和感がありましたが。
今度は美味しく食べられてよかったねーって言おうとしたら
「Tさんは、この嫌味わからずに笑顔で美味しいって食べたの!」
「誰のせいであんなことになったのか、思い出しもしない」と激怒。
ここでやっと
ゆで卵は、仲直り、気遣い、ではなく・・・
フラッシュバックトリガー!
失態を思い出させるために、年金生活の母が課金してでも欲しいアイテムだったのです。
最強アイテムにも拘らず、Tさんを再び皆で責め立てる作戦が失敗したので立腹していたのでした。
とどめのセリフがこちら。
「本っ当に腹立ったから、もう一回ゆで卵を作ってったのよ!」
「でも二回とも全然平気な顔してた!」
「しかも誰も思い出さないの!」
わざわざお金をかけてまで、二回も。
しかも誰も・・・って?
い、犬笛を吹く、いや、吹かせようとしたのか

なんだかよく似た記憶が・・・。
そう、私がへま(これも母の罠だった)をやらかした後の母の優しいフォロー。
それに安堵し喜ぶ私に見せた、「なぁんだガッカリ」なリアクションと舌打ちするスネ夫みたいな意地悪顔。
私の愉快は母の不快。
あれ?ってなる母のチグハグな表情
あのフォローは、慰めでも愛情でもなんでもない。
フラッシュバックのトリガーだったんだ。
さらにセットで吹かれた犬笛で、散々な目に。
そうとも知らず、「許された」「味方なのだ」「愛されている」と勘違いしてしてきた、だからこそ毒親と見抜けずに生きてきたのだ。

母の人生ゲームを愉快に盛り上げるはずだったアイテム、ゆで卵
思いもよらず「身体にいい卵を二個も」「美味しく食べられてよかったわ」になっちゃって。
私同様ご婦人方も、毒隣人と見抜けず「いい人ね」って勘違いなさっているかもしれません。
知らんけど。
私への評価が暴落してたんだけど、犬笛吹いた犯人は誰ですか

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