アルツハイマー型認知症の義母は県外の施設にいる。
コロナ前は、たびたび様子を伺いに行っていた。
認知症が進んでいたので会話はいつも
「いつ来たの?どこに泊まるの?」の繰り返しだった。
ところが
いつもの会話以外の会話がちょっと意外だったので記録しておこうと思う。
私の父が亡くなってすぐの頃。
いつもの会話を繰り返しつつ、不意に義母が真顔で言いました。
「なつみさんのご両親はお元気?」
義親族には父の急逝を連絡しなかったので「え?えぇまぁ、はい」
と言葉を濁しておきました。
再び、いつもの会話を繰り返した後、今度は・・。
「土・日はパンを焼いて、コーヒーと一緒に食べるんでしょ」
「え?えぇまぁ、はい」
当たる占い師が懐疑的な客を驚かせるみたいな義母の眼ヂカラに狼狽しました。
((((;゚Д゚))))
ええ、パンを焼くのは土日だけ。
飲み物は、紅茶でもなく牛乳でもジュースでもない、必ずコーヒー。
そんな日常など、ひとに話したこともない。
「土・日はパンを焼いて、コーヒーと・・いいなあ、いいなあ」としみじみ遠く(狭い部屋だけど)を仰ぎ見、その後はまた「いつ来たの?」の無限ループ。
なぜ私の両親が気になったのか?
なぜ土日の風景を知っていたのか?
↓千里眼みたいな、無自覚な、不意の口をついて出る言葉には要注意。